bikko's Looks
キャプテンフック。
彼はピーターパンの宿敵。
卑怯な手を使ってティンクを騙し、
ウェンディたち仲間を人質にとり、
ピーターパンを窮地に追い込む悪役。
そんな彼にわたしが憧れる理由。
それは、彼と私にある共通点。
彼は、片手をワニに食べられ、
中途の身体障害者となった
ハンデのある身。
でも、彼はその片手に鍵針をはめ、
片手がないのに、空を飛べるピーターパンを
倒す事に執念を燃やす。
その姿勢は誰が見てもストイック。
そして、マメに髭を剃ったり、
帽子に鳥の羽をつけたり、
中世ヨーロッパらしき
クラシックな装いをするオシャレさん。
片手の鍵針でさえ、
彼のファッションの一部に見える。
そんな彼にハンディキャップがあることを
誰が気にするであろうか?
ピーターパンでさえ、彼には容赦なく、対等に戦う。
彼はストイックなだけじゃなく、
ユーモラスでポジティブで、
ヒールなのにどこか憎めない
魅力的なキャラクター。
*** *** *** ***
新しい服に袖を通す時、いつも
『左腕、不恰好じゃないかな?』
『かわいそうとか、思われないかな?』
と思っていた時期がある。
短く、か細い片手で子供を抱っこしていると、
大人は『大丈夫ですか?』
と聞いてくれたりするけれど、
子供はピーターパンのように容赦がない。
それでも、フック船長は空飛ぶピーターパンに
『フェアじゃないぞ❗』
と叫びながらも、果敢に立ち向かう。
自分の手を食べたワニという
トラウマが住む海の上で、
海賊の船長という職に
誇りを持って生きている。
そんな彼を思い起こすと、
私は勇気を貰えるのだ。
彼のなくなった片手は、
彼の武勇伝の生傷でもあるように、
彼の義手が、
彼のキャラクターアイコンや
ファッションでもあるように、
私も自分の左腕に誇りを持ち、
自分のキャラクターであり、
ファッションであるように感じたい。
彼にハンデの象徴である義手の
『フック(鍵針)』という名が
愛称になっているのは、
よく考えると酷にも思う。
でも、私も『左右非対称』という意味の
『びっこ』という名を気に入っている。
多分、彼に近づけている気がするから😊